Ashlasの考察 【ELDEN RING】

エルデンリングの考察

「責問官の存在意義、狂い火の王ミドラーの真実」エルデンリング考察16(DLC)

 

 

 前回の考察で、驚愕の事実が明らかとなった。

 これを前提に置くと、影の地の奇妙な文化について、いくつか興味深い説明が得られる。

 

 今回の考察では、責問官の存在意義が判明する。そして、そこからミドラーの正体が明らかになる。

 

 

 本考察は、エルデンリング考察15をベースにして進めていきます。

 ぜひ、エルデンリング考察15をご一読になってからこの考察を読み進めてください。

 

ashlas.hatenablog.com

 

 

 

 

影の地の責問官

 影の地には、責問官という敵が登場する。

 

責問官

 

「責問官の遺灰」

責問は、時に幼い心を迷わせる。

故にそれは、老いた者たちの役目だった

 

 責問官は人のを問う職であり、影の地の責問は逆棘を象徴とする。

 

「黄金の弧」

その弧は、責問の象徴たる逆棘の似姿である

 

 責問官はミドラーの館にも登場する。

 

 ミドラーは罪人である。

 

「劫罰の大剣」

館の主ミドラーを貫いていた黄金の大剣

角人たちが、最高の刑罰に用いたもの

 

犠牲者を内から貫く幾本もの逆棘

ゆるりと巻き取られている

 

 責問官は罪人を捌く。そのため、ミドラーの館に登場するのも頷ける。

 

 しかし、責問官はエニル・イリムにも登場する。

 

 エニル・イリムは神の塔と呼ばれる神聖な場である。これは絵画「神の塔」にエニル・イリムが描かれていることからわかる。

 

 通常、神聖な場に責問官が多くいるのは奇妙である。

 

 だが、前回の考察15で、角人にとって罪人の処理は霊の浄化に関わっていることがわかった。

 そして、角人にとって罪人の処理は結果として神事となるのである

 

 そう、責問官は影の地では神聖な職なのである。

 こう考えると、エニル・イリムに責問官が多いことにも説明がつく。

 

 

 

狂い火と角人

 責問官について考察したが、そこから更に面白いことがわかる。

 

 DLCの中でも特に謎が多い人物として、ミドラーがいる。

 

ミドラー

 

 ミドラーは、劫罰の大剣を引き抜き、狂い火の王となった。

 

 ミドラーの館には、大勢の責問官が登場する。それはもちろん、ミドラーが罪を犯したためだろう。

 

 ミドラーの罪とは何だろうか。

 

 狂い火を宿したことだろうか。それとも、狂い火を宿したのは劫罰の結果だろうか。

 

 

 考察すると、ミドラーの罪は狂い火を宿したことだとわかる。

 

 

 ミドラーの館で取得できる製法書から、次のアイテムを作成することができる。

 

「迸る狂い火」

狂い火は、霊すらを焼き溶かし

永遠であるはずのそれを、消し去るという

角人が狂い火を忌避する所以である

 

 角人は狂い火を嫌っている

 

 なお、アイテム「迸る狂い火」は、ミドラーの館に登場する敵も使用する。

 

 更に、ミドラーの館には、シャブリリの叫びを使用する敵が登場する。

 

ミドラーの館の敵。シャブリリの叫びを使用する。

 

 狂い火を使うのは、ミドラーだけではない。

 

 また、道中でアイテム「膨れたブドウ」をいくつも取得できる。

 

「膨れたブドウ」

三本指の抱擁を、直に受けた証として

指痕の火傷が刻まれている

 

 三本指に抱擁された人物が、何人もいるとわかる。

 

 しかし、なぜだろうか。

 

 祝福「館の広間」の横に隠し通路の入り口の絵画がある。その絵画には緑豊かで花畑が広がるミドラーの館らしきものが描かれている。

 

 恐らくこれはかつてのミドラーの館である。

 

 わざわざこれを飾るような人物が狂い火を受領するのは奇妙である。

 

 狂い火とは、世界を焼き尽くすためのものである。

 ハイータから狂い火の源である三本指の話が聞ける。

 

ハイータ

”混沌の黄色い火で、何もかもを焼き溶かし”

”すべてを、大きなひとつに…”

 

 

 そして、ミドラーの館は、建築様式が塔の街ベルラートと同じものである。

 

ミドラーの館の扉

 

ベルラートの扉

 

 また、ミドラーの館にいる幻影から、話を聞くことができる。

 

ミドラーの館、二階の幻影

”……”

”やめてくれ。もう、たくさんだ”

”俺たちは、同胞だろう…”

”だのに、何故、こんな酷い仕打ちを…”

”ミドラー様が、何をしたっていうんだ”

 

 つまり、ミドラーは角人の勢力なのだ。

 

 そして、ミドラーには他の角人たちに敵対する意図がなかった。

 

 狂い火は霊をも焼き溶かす。

 だが、ミドラーには、すべてを焼き溶かそうとする意図はなかった。

 

 

 

 ミドラーの真意は別にあった

 そう考察できる。

 

 

 

ミドラーの真意

 ミドラーは賢者と呼ばれた。

 

「地図断片:奈落」

墓地平原の東にある、奈落の地図断片

 

陽も射さぬ渓谷の底に、深い森が広がっている

賢者ミドラーの隠遁の地として知られたが

角人たちは、この場所を禁忌とした

 

 賢者であれば、狂い火を用いて、何か行おうとしていたのだろう。

 

 ところで、影の地には蠅の病がはびこっていると先述した。

 

 また、蠅の病は、角人が呪われた霊を呼び寄せることで起きると考察した。

 

 蠅の病は、苦痛を伴う。

 

「人蠅の遺灰」

病の果てに人蠅の姿となった角人たちは

その姿が変わる時、苦痛から解放されるという

 

 これについては、人蠅が多くいる病捨て村の幻影から話を聞ける。

 

病捨て村の幻影

”……”

”…痛い。体中が、痛い…”

”うう、ううう…”

”…なあ、俺はまだ、人間かい?”

”だから、こんなに苦しいのかい?”

 

 だが、狂い火は、霊も、呪いも、苦痛も、焼き溶かす

 

「迸る狂い火」

狂い火は、霊すらを焼き溶かし

永遠であるはずのそれを、消し去るという

角人が狂い火を忌避する所以である

 

「ミドラーの狂い火」

狂い火の王は、焼き溶かす

苦痛、絶望、呪い、あらゆる罪と苦しみ

 

 ミドラーは、蠅の病を治すために、狂い火を受領したのではないだろうか。

 

 影の地では、罪人を大壺を用いて善人に生まれ変わらせることで呪われた霊を減らしていると考察した。

 

 狂い火は、罪をも焼き溶かす。

 

「ミドラーの狂い火」

狂い火の王は、焼き溶かす

苦痛、絶望、呪い、あらゆると苦しみを

 

 狂い火があれば、大壺を使わずとも、呪われた霊を出さないよう罪人を処理できる。

 

 狂い火を用いて、蠅の病を治すだけではない。

 より根本的な原因である、呪われた霊をうまく処理できる。

 

 そのためにミドラーは狂い火を受領したと考えられる。

 

 

 

狂い火と責問官

 最後に、決定的な証拠を提示する。

 

 ミドラーの館の中にも外にも責問官がいる。

 

 外の責問官は、狂い火を使用する。

 

ミドラーの館の外の責問官。狂い火を用いる。

 

狂い火の祈祷「シャブリリの叫び」を使用する責問官

 

狂い火の祈祷「空裂狂火」を使う責問官

 

 責問官が狂い火を使うのは、ふつうならおかしい。

 角人は狂い火を嫌う。裏切り行為だ。

 

 だが、この責問官は、他と同様、「黄金の弧」を使用する。

 裏切るつもりはないようである。

 ではなぜ狂い火を使うのだろうか

 

 責問官について確認する。

 責問官は罪を問う職であり、影の地では責問官は神聖である。

 それは、角人にとって霊が神聖であり、罪人の処理に呪われた霊を減らす目的があるためだと考察した。

 

 罪人はそのまま亡くなれば、呪われた霊を生じる。そう考察した。

 だが、狂い火は呪われた霊をも焼き溶かす。

 

 この責問官は、罪人の処理のために狂い火を使っている。

 そう考えると、なんら不思議ではない。

 

 罪人は、呪われた霊を生む。

 

 だが、狂い火は、霊も、呪いも、罪も、焼き溶かす

 

「迸る狂い火」

狂い火は、霊すらを焼き溶かし

永遠であるはずのそれを、消し去るという

角人が狂い火を忌避する所以である

 

「ミドラーの狂い火」

狂い火の王は、焼き溶かす

苦痛、絶望、呪い、あらゆると苦しみを

 

 角が呪われた霊を呼び寄せ、蠅の病を起こす。

 角人の問題を、狂い火であれば解消できるのである。

 

 狂い火には大壺と同じことができる。

 

 ミドラーと一部の責問官にとって、狂い火は角人を救う手段だった。

 

 

 

 しかし、呪われた霊だけを焼くのは難しいだろう。

 

 ミドラーの館の外の責問官は、狂い火の祈祷「空裂狂火」を用いる。

 狂い火の祈祷「空裂狂火」を使用する敵は、この責問官だけである。

 

狂い火の祈祷「空裂狂火」を使う責問官

 

「空烈狂火」

かつて、狂い火を制御しようと試みた者は

皆、絶望的な内なる戦いの末、発狂した

この祈祷は、そのわずかな勝利の証である

 

 狂い火を制御しようと試みた者。

 ミドラーと一部の責問官たちもそうではないだろうか。

 

 

まとめ

  • ミドラーは狂い火を受領した 
    • 蠅の病や呪われた霊の問題を解消するために
      • 狂い火は霊や呪いも焼き溶かす
    • 責問官にもミドラーと同じ考えの者がいる
      • 一部の責問官は空烈狂火を使う
        • 狂い火を制御しようとした

 

 

考察を終えて

 影の地には死が集まる。

 

狭間の中心

あらゆる死が流れ着き

あらゆる死を鎮める

 

 マリカにより死のルーンが取り除かれ、永遠の生命を謳う黄金律とは対照的である。

 

 マリカが角人や角人の文化を拒絶したのはわかる。

 だが、なぜ数ある方法の中から黄金樹を始めることになったのだろうか。

 

 

 

 そして、角人も、黄金樹の民も、樹木を神聖視する。

 黄金樹、影樹、螺旋樹。

 

 それらはどういったものなのだろうか。

 

 

 影の地にはまだ謎が残っている。

 

 

 以下、関連する考察です。

 

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