狭間の地には、フレーバーテキストですら触れられない古い時代の痕跡がある。
そのひとつが外套をまとう剣士像である。この像を考察していくと、古い時代の様子がどうなっていたか少し明らかになる。
そして、エルデの獣がなぜあの姿になったのかひとつの考えが得られる。
- 神の守護剣士像
- 神授塔
- ストームヴィルの王
- ファルム・アズラの王
- 永遠の都の王
- エルデの獣の姿
- エルデの獣:古い神と死のルーン
- エルデの獣:ファルム・アズラの竜王
- エルデの獣:ストームヴィルの嵐鷹の古王
- エルデの獣:祖霊の王
- エルデの獣:永遠の都の夜の王
- エルデの獣とは
- エルデンリングの輪の意味
- ラニの律
- 残りの輪の意味
神の守護剣士像
神授塔の門には、外套をまとい、剣を持つ男性の像がある。
結論からいうと、この像を考察することで、古い神の勢力範囲がわかる。
前編の記事で、マリカ以前の神が4人の王を伴っていたと記した。4人の王とは、祖霊の王、ファルム・アズラの王、ストームヴィルの王、永遠の都の王である。
本記事はこの記事の続編です。こちらをお先にお読みいただけると嬉しいです。
4人の王が同じ勢力にあったとこちらの記事で考察した。だが、その直接の根拠は四鐘楼しか述べていない。
そこで、更なる根拠としてこの剣士像を提示する。
マリカ以前の神が祖霊の王を伴っていたことは、王朝遺跡の建築様式や、祖霊の民のいる場所から、信憑性はかなり高いだろう。
だが、それ以外の王たちは本当に同じ勢力にあったのだろうか。
剣士像を追うことで、やはり古い神は、祖霊の王の他にもファルム・アズラの王、ストームヴィルの王、永遠の都の王を伴っていたことがわかる。
神授塔
古い神といえども、エルデンリングを宿す神である。
エルデンリングは大いなる意志により狭間の地にもたらされた。
エルデの流星
かつて、大いなる意志は
黄金の流星と共に、一匹の獣を狭間に送り
それが、エルデンリングになったという
ならば、古い神は大いなる意志の傘下にあると言える。
神授塔の最上層には概して二本指がいる。
二本指は大いなる意志の使いである。
エンヤ
…あんた、新しい褪せ人だね?
よくきたね、私は指読みのエンヤ
大いなる意志の使い、指様の言葉を伝える婆さね
ところで、神授塔へ向かう道を見ると剣士像が目につく。
ならばこの剣士像は、大いなる意志、二本指、そして神に関係が深いと言えるだろう。
もし、神授塔以外の場所でこの剣士像があるなら、その場所も大いなる意志、二本指、神に関係が深いことになる。
ストームヴィルの王
ストームヴィル城からはリムグレイブの神授塔へ行くことができる。
その途中、失地騎士の甲冑と剣士像のある場所に出る
剣士像の存在から、ストームヴィルはエルデンリングを宿す古い神の味方であったことがわかる。少なくとも一時期はそうである。
ファルム・アズラの王
ファルム・アズラに剣士像はないが、竜の像がある。
その台座は、剣士像の台座と同じである。
ファルム・アズラとストームヴィルはかつて近しい場所にあった。そう前編の考察で述べた。ストームヴィルとファルム・アズラは恐らく同じ勢力である。
ストームヴィル近辺に落ちている遺跡は、ファルム・アズラのものである。
リムグレイブの遺跡の方が風化しているためわかりにくいものの、確かに同じ模様である。
ストームヴィルには、かつて本当の嵐があったそうである。
嵐鷹の古王
ストームヴィルに本当の嵐があった頃
鷹たちの王として君臨した、一羽の遺灰
だが古王は誇り高く、誰の召喚にも応じない
遺跡が多く落ちているのは、ストームヴィルの近辺にファルム・アズラが存在していたからではないだろうか。
また、ファルム・アズラにもストームヴィルと同様に、鷹が多く出現する。
前編の記事で、ストームヴィルとファルム・アズラは、失地騎士、竜、嵐の3つの要素が共通すると述べた。
更に、遺跡、鷹という2つの要素を加味すれば、ストームヴィルとファルム・アズラは同じ陣営にあったことはほぼ確実であると言える。
永遠の都の王
永遠の都にはどこにも剣士像などない。
そう言いたくなるが、これを見てほしい。
歩く霊廟である。
歩く霊廟は建築様式が永遠の都と同じである。
そして、歩く霊廟の中には剣士像が存在する。
魂なきデミゴッドを囲むように配置されている。
また、マヌス・セリスの大教会には、門番のように剣士像が配置されている。
マヌス・セリスの大教会は恐らく永遠の都にゆかりがある。
大教会へは、永遠の都の技術で作られたエレベータを使っていく必要がある。
また、永遠の都は黒い月を崇拝しているが、マヌス・セリスの大教会の近辺には月に関係するものが非常に多い。周辺には月の民の廃墟、月の貴族の廃墟がある。
更には、マヌス・セリスの大教会の近辺からは黒い月が見える。
よって、永遠の都は古い神の味方であったと思われる。
以上のことから、古い神、祖霊の王、ファルム・アズラの王、ストームヴィルの王、永遠の都の王のすべてが、かつては同じ陣営であったと言える。
これがわかると、なかなか興味深い考察ができる。
エルデの獣の姿
エルデンリングの最後に戦う敵、エルデの獣。
奇妙な姿である。
よく観察すると、次のような特徴がある
恐らくもう気付いた人もいるだろう。
多くの点で、エルデの獣の特徴は古い王、そして古い神の特徴と符合する。
エルデの獣:古い神と死のルーン
古いエルデンリングには、根の模様と、二本のねじれがある。
根の模様は古い神の象徴であり、二本のねじれは死のルーンを意味していた。
根の模様はエルデの獣にもある。
また、二本のねじれは神の遺剣と同じ形である。
エルデの獣:ファルム・アズラの竜王
ファルム・アズラに多くいる古竜。古竜は長い首を持つが、エルデの獣もそうである。羽をもつのも竜の特徴である。
更に、エルデの獣は黄金のブレスを吐くが、これはファルム・アズラのプラキドサクスも同様に黄金のブレスを吐く。
エルデの獣:ストームヴィルの嵐鷹の古王
ストームヴィルには鷹の王がいた。
鷹は羽をもつ。エルデの獣もそうである。
エルデの獣:祖霊の王
エルデの獣は大いなる意志の使いである。それゆえに、エルデの獣は獣であるのかもしれない。しかし、他にも理由が考えられる。
エルデの獣にはヒレが生えている。
これは、よく見ると魚というよりイルカやクジラのヒレに近い。
イルカやクジラは海獣である。ところで、祖霊の王は獣であった。
エルデの獣が獣であるのは、祖霊の王が獣であることに関わりがあると言えるかもしれない
エルデの獣と戦う場所は、祖霊の民がいる地下世界に極めて似ている。
エルデの獣は戦う前に星を呼ぶ。
人工の星という点で、地下世界の偽りの空と同じである。
また、周囲に黄金の霊樹が多く現れる。巨大な樹木が散在する風景は、地下世界の白い石化した木のある地下世界を思わせる。
エルデの獣:永遠の都の夜の王
エルデの獣は体に星々を宿している。星と言えば魔術師である。永遠の都は魔術師にゆかりがあった。
また、永遠の都には偽りの星空がある。
エルデの獣にはヒレがあるが、永遠の都は流水に強い関係があるとこちらの考察で述べた。
また、巨大な人間の手足を持つのは、夜の王が巨人であることに関係しているのかもしれない。
エルデの獣とは
エルデの獣とは、律たる概念の具現である。
エルデの追憶
黄金樹に刻まれた
エルデの獣の追憶
それは、大いなる意志の眷獣であり
律たる概念の具現であった
ならば、黄金律以前の過去の王の特徴が、現在のエルデの獣にもあるというのはおかしい。
エルデの獣と戦闘する際の律は、黄金律である。
そこで、考え方をひっくり返す。
エルデの獣の特徴を持つ者が、かつて王として選ばれることになったのではないだろうか。
エルデンリングの輪の意味
エルデの獣はエルデンリングそのものである。
エルデの流星(一部抜粋)
かつて、大いなる意志は
黄金の流星と共に、一匹の獣を狭間に送り
それが、エルデンリングになったという
プレイヤーは、大ルーンを持つデミゴッドたちを倒していくことで、大ルーンを獲得していった。
大ルーンはエルデンリングを部分的に切り取ったものに対応する。
例えばゴドリックの大ルーンはエルデンリングの中心に対応する。また、ラダーンの大ルーンはエルデンリングの左側、マレニアの大ルーンはエルデンリングの右側に対応する その他の大ルーンも、エルデンリングの一部である。
すべての大ルーンがエルデンリングの一部であることは、オープニングの一説からわかる。
どのような方法でデミゴッドたちが大ルーンを得たのかはまだ私はわかっていない。
しかし、何の法則もなく好き勝手に大ルーンを選べたわけではないようである。
次のテキストを見るとそう判断できる。
モーゴットの大ルーン
破片の君主、モーゴットの大ルーン
恩恵により、HPの最大値を大きく上昇させる
その大ルーンは、幹を持つ要の輪であり
それは二つの事実を示している
忌み王が、黄金の一族として産まれたこと
そして、確かにローデイルの王であったことを
モーゴットが好き勝手に大ルーンを選んだわけではなく、モーゴットの身の上ゆえにこの大ルーンを有していたとわかる。
ここまでの考察で、デミゴッドはエルデンリングの輪と対応付けられることがわかった。
しかし、4人の王はエルデンリングの輪とは対応付けられないではないか。王はデミゴッドではない。そう思うだろう。
確かにそうである。ここから更に憶測が多く入る考察となる。
今も過去もエルデンリングには輪が4つある。
エルデンリングの輪の数と、四鐘楼の数は一致している。
四鐘楼も4つである。
そして、四鐘楼と対応付けられる古い王も4人である。
現在の4つのエルデンリングのうちのひとつ、中心の輪は要の輪と呼ばれていた。
そして要の輪が、黄金を象徴とする永遠のルーンであるとこちらの記事で考察した。この輪をマリカが中心に動かしたことで黄金律が始まったのであった。
そして、王の一人は古竜のプラキドサクスであった。
古竜はその身に黄金を宿す。
ならば、要の輪にかつてプラキドサクスは選ばれたと言えないだろうか。
残りの輪が何を意味し、どの王に対応するのかは定かではない。
しかし、ある程度推測することは可能である。
プラキドサクスと要の輪が対応することは、現在と過去のエルデンリングを比較することで考察できた。
同様に、現在と過去を比較して他の輪が何を意味するのか推測する。
黄金律が始まってから、星見は廃れた。
遠眼鏡(一部抜粋)
黄金樹の時代、カーリアの星見は廃れていった
夜空にあった運命は、黄金の律に縛られたのだ
黄金律が始まる前にファルム・アズラにエルデンリングが存在していたことから、星見とエルデンリングはもとは対立しないものであったとわかる。
ならば、星見が廃れたのは、黄金の輪が中心に移動した(=黄金律が始まった)ためだと考えられないだろうか。
ところで、古い神に伴う4人の王、その一人が永遠の都の夜の王であると考察した。
永遠の都は魔術師と関係が非常に深い。魔術街サリアには永遠の都の民がおり、また、サリアの魔術は永遠の都をルーツに持っていた。永遠の都ノクローンの真上にサリアは位置している。
魔術師レナラの子供たちもデミゴッドであるが、みなエルデンリングの左側の輪を大ルーンに有している。
それなら、エルデンリングの輪のひとつは、星に関係が深いと言えないだろうか。
ラニの律
黄金律は、黄金を意味する輪を中心に移動することで始まった。
ならば、星を意味する輪を中心に移動することも可能だろう。
私の律は、黄金ではない。星と月、冷たい夜の律だ
ラニの律が始まれば、別の輪が中心に移るのかもしれない。
残りの輪の意味
エルデンリングの4つの輪のうち、2つが黄金と星に関係すると考察した。
では、残りの輪はなんだろうか。
非常に興味深い謎である。