永遠の都はラニ、マリカ、黒き刃に深い関係がある。しかしその正体は謎ばかり。
永遠の都について考察する。
マリカ以前の神
本考察は、マリカの前にいたと考えられる神についての考察から得られました。
先にこちら2つの考察をお読みになることをオススメします。
「マリカ以前の神 ファルム・アズラのエルデンリング」エルデンリング考察 - Ashlasの考察
「ゴッドフレイ以前の王 四鐘楼の正体 古い神」エルデンリング考察 - Ashlasの考察
夜の王
四鐘楼は3つの場所とつながっていた。残る1つの鐘楼には転送門がない。これは何を意味しているのだろうか。
鐘楼という語は、魔術「魔術の地」、タリスマン「長尾猫のタリスマン」のフレーバーテキストに見られる。
魔術の地(一部抜粋)
かつて、その魔方陣は
最も高い鐘楼から、学院全域を覆っていた
鮮烈な成功体験は、閃きにも似て
ひよっ子を魔術師に育てるのだ
長尾猫のタリスマン
長尾猫のラクリマを象ったブローチ
落下ダメージを完全になくす
ただし、落下死亡を防ぐことはできない
それは、レアルカリアのお伽噺に登場する
大鐘楼に遊ぶ妖精猫である
そう、四鐘楼のうち転送門がないものは最も高い鐘楼である。
ならば、最後のひとつは魔術師に関係があると言えるだろう。
四鐘楼の転送門は起動に魔石剣が必要となる。魔石剣は、四鐘楼、レアルカリア、サリアの三つの場所で入手できる。どこも魔術師に関係する。
四鐘楼自体は魔術師が建造にかかわったようである。
レアルカリアの正門前からは四鐘楼がよく見える。レアルカリア学院が先か、四鐘楼が先かは不明ではあるが、レアルカリア学院から四鐘楼がよく見えるのは意図的なものだと考えられる。
そして、魔石剣のひとつが手に入るサリアには、椅子廟と呼ばれる巨大な建物がある。椅子廟の背もたれにある模様をよく見てほしい。
根のような模様があしらわれている。これは老神を意味していると考えられないだろうか。
椅子廟の椅子は、永遠の都ノクステラとノクローンにも存在している。
サリアと異なり、巨人の骸骨が座っている。
この巨人はなんだろうか。
私は、この巨大な骸骨がかつての夜の王であったと考えている。
それも、老神の王である。
以下、根拠を述べる。
ノクスの民は夜の王を欲している。
ノクス僧の鎧
大古、大いなる意志の怒りに触れ
地下深く滅ぼされた、ノクスの民は
偽りの夜空を戴き、永遠に待っている
王を。星の世紀、夜の王を
ノクステラの椅子廟の前では、ノクステラの竜人兵と戦闘することとなる。
竜人兵は古竜に近い。竜人兵の一体はさざれ石でできた剣、竜鱗刀を落とすのだが、さざれ石は古竜しか持たないものである。
竜鱗刀
古竜の不朽たる精髄、さざれ石の鱗を
研ぎ澄まし、曇らぬ刃となした得物
竜人兵は、竜たる者として産まれ
だがそうなることはできず
老いた竜擬きとして滅んでいった
そして古竜は王を守る逸話を持ち、護りの象徴である。
竜印の盾のタリスマン (一部抜粋)
黄金樹なき先史時代の主たる古竜は
王を守る、巌の壁であったという
故に竜姿は、あらゆる護りの象徴である
ならば、ノクステラの竜人兵は、椅子廟の骸骨を王として守っていたと考えることができる。
永遠の都の王は夜の王である。これらのことから、椅子廟の骸骨はかつての夜の王と言える。
ところで、地下の王朝遺跡には泥人がたたずんでいる。泥人はシャボンの魔術を用いて攻撃を行う。これと同じ魔術「神託のシャボン」をプレイヤーも使用できる。
神託のシャボン
古い王朝の神官たる、泥人たちの魔術
幾つかの、小さな魔力のシャボンを放つ
それはゆっくりと飛び、やがて破裂する
タメ使用で、破裂までの時間が延びる
泥人たちは、シャボンの内に
失われた神託を探している
泥人は古い王朝の神官であった。そして、泥人のいる場所には老父像がある。ならば、泥人は老神の神官と言っていいだろう。
この泥人が椅子廟の骸骨と何の関係があるのか、次の画像を見ると明らかになる。
神託のシャボンの魔法陣を椅子廟と比べてみる。
明らかに同じ模様である。
神託のシャボンの魔法陣には、椅子廟が描かれている。
ところで、椅子廟のあったサリアは夜の魔術を用いる。
夜のつぶて(一部抜粋)
魔術街サリアの、夜の魔術のひとつ
夜の魔術の魔法陣にも、椅子廟が描かれている。
サリアは永遠の都とかかわりが深い。椅子廟が存在したのも、椅子廟をノクスの民が守っていたことも、これを示唆する。
夜巫女の霧(一部抜粋)
サリアの地下には
永遠の都、ノクローンが眠っている
これは、その巫女の魔術であるという
そして、永遠の都は夜の王を求めていたと述べた。
以上のことから、椅子廟の巨人はかつての夜の王であり、老神の王だと考えられる。
ここで、巨人の骸骨が老神であると言いたくなるが、恐らくそうではない。
というのも、椅子廟に座る骸骨は2つあり、その椅子廟自体はいくつも用意されているためである。
ふつう、王は死ぬ。だからこそ椅子廟に座る。廟とは死者を祀るためのものである。王が死ぬからこそ、新たな王が必要であり、そのために複数の椅子廟が用意されていると思われる。対して、神はそう簡単には死なない。
永遠の都と老神の関係は、エルデンリングのストーリーを理解するにあたって非常に興味深い考察をもたらす。
老神のゆくえ、永遠の都の大逆
神は簡単には死なない。
プレイヤーは黄金樹を燃やすために巨人の火の釜へ向かい、その後ファルム・アズラで死のルーンを解放した。そうして初めて黄金樹が焼けたのであった。また、ラダゴンの死によって生じる神の遺剣からも、神は本来死なないものであることがわかる。
神の遺剣
永遠に死ぬことのないはずの
神の遺体から生まれる剣
人々はそれに様々な意味を見出す
大いなる罪、破滅、時代の終わり
あるいは始まりを
では、老神はどこにいったのだろうか。
ラニのイベントを通して、永遠の都では特殊なアイテムを入手することになる。
永遠の都、夜の神域において指殺しの刃が手に入るのである。
指殺しの刃
永遠の都、ノクローンの秘宝
遺体から生まれたとされる刃
永遠の都の大逆の証であり
その滅びを象徴する、血濡れた呪物
運命なき者には振るうことはできず
大いなる意志と、その使いたちを
傷つけることができるという
前編の考察でも述べたように、指殺しの刃と神の遺剣は形が似ている。
どちらも遺体から生じるとされ、神の遺剣はラダゴンの死に由来する。
ならば、指殺しの刃は、永遠の都が自らの神を殺めたことを意味するだろう。
そして、本記事で永遠の都の神が老神であると考察した。
結論として、永遠の都が老神を手にかけた。そう考えられる。
この大逆が大いなる意志の怒りに触れ、ノクローンは滅ぶこととなった。
続く。
以下、関連する考察記事です。
椅子廟の模様に関する更なる考察がこちらにあります。