Ashlasの考察 【ELDEN RING】

エルデンリングの考察

「セレン、衝撃の結末の理由 なぜ地下世界に星空が広がっていたのか」エルデンリング考察4

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 魔女セレンは、最終的に衝撃的な姿に変貌する。

 なぜこの姿になったか。また、セレンの目的とは何か

 

 二つを通して、なぜレアルカリア学院が源流を禁じたのかも明らかになる。

 結果として考察は地下世界にまで及ぶこととなる。

 

 

セレンはどうしてこんな姿に……

 

 最終的にセレンは魔術師球になってしまう。(セレン生存ルートの場合)

 

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 最初、私はセレンが何かで失敗したせいでこの姿になったと思っていた。

 だが、恐らく失敗ではない。作中でこれは魔術師球と呼ばれるが、魔術師球のタリスマンのテキストにあるように、探求の手段にすぎない。そしておそらく、更なる続きがある。

 

魔術師球のタリスマン

魔術師球と呼ばれる

学院の悪夢を象ったタリスマン

 

魔術の威力を高める

 

輝石魔術には、源流という禁忌がある

魔術師を集めて星の種となす

源流では、これは探求の一手段なのだ

 

 セレンはこの姿になって何をしたかったのか。

 

 私は次のように考えている。

 

 セレンは月になろうとしていた。

 それも、暗月に。

 

 これより考察を始める。単なる考察であるから確実ではないが、できる限り証拠を挙げていく。

 

魔術と源流、そしてセレンの動向

 そもそも魔術と源流魔術がどういったものかを理解しておく必要がある。

 

 分量が長いため、こちらの記事に前編としてまとめました。

 既に魔術や魔術師関連のテキストに一通り目を通した人以外は、先にこちらをお読みいただけると嬉しいです

 

「魔女セレンの探究、源流の魔術とは何か」エルデンリング考察3

ashlas.hatenablog.com

 

魔術師球とは

 前編の記事で、ルーサットとアズールは源流の探究で星の上位存在へ向う道に至ったと述べた。

 魔術師球に変貌したセレンもへ向かっていると言える。魔術師球とは、魔術師を種とするである。

 

魔術師球のタリスマン

魔術師球と呼ばれる

学院の悪夢を象ったタリスマン

 

魔術の威力を高める

 

輝石魔術には、源流という禁忌がある

魔術師を集めて星の種となす

源流では、これは探求の一手段なのだ

 

 魔術師球は通常、敵として遭遇する。魔術師球は星だと説明したが、攻撃も星のようである。

 

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魔術師球の攻撃 星のようである

 

 このエフェクトはプレイヤーの使える魔術「創星雨」のものと似ている。

 

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魔術「創星雨」
魔術師球から魔術師塊へ

 魔術師球の他に、魔術師塊というものが存在する。

 

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魔術師球・魔術師塊(タリスマン)

 魔術師塊は魔術師球の一種である。

 

魔術師塊のタリスマン(一部抜粋)

魔術師球と呼ばれる学院の悪夢

最初のそれを象ったタリスマン

 

 魔術師塊のタリスマンの性能が魔術師球のタリスマンの上位互換であることから、魔術師塊は魔術師球よりも上のものであることが伺える。

 恐らく、魔術師球になったセレンは、ゆくゆくは輝石の生えた魔術師塊になろうとしていた。

 

 ところで、魔術師塊はレアルカリア学院でじっくり観察することができる。

 

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レアルカリアの魔術師塊

 

 魔術師塊には大量の輝石が生えており、周囲の地面や本棚、本からも輝石が生じている。

 

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地面や本から輝石が生えている

 

 そして、魔術師塊のある部屋はで満ちている。ちょうど魔術師塊の上部に星が密集している。

 

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魔術師塊の上にある星々

 魔術師塊は永続的な星を発生させている。対して、魔術師球はすぐに消える星しか作ることができなかった。

 セレンは魔術師球となるが、そこから星を呼べる魔術師塊になろうとしていたと思われる。

 

 ところで、空でもないのに星が集まる場所が他にもあった。

 永遠の都のある地下世界である。

 

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星空の広がるシーフラ河。永遠の都ノクローンがある

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星空が広がる、永遠の都ノクステラ

 

 ノクステラの月によれば、永遠の都ノクステラにはもともとは月が存在していた。そして、無数の星を従えていたようである。

 

ノクステラの月

永遠の都、ノクステラの秘宝

「伝説のタリスマン」のひとつ

 

記憶スロットを増やす

 

それは、彼らが失くした黒い月を模している

ノクステラの月は、無数の星を従えていた

 

 このことから、永遠の都の星空も、恐らくは月が星を呼び寄せたことで生じたと考えられる。

 星の世紀エンディングでは、暗月が星々を生じる様子が見える。

 

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暗月の周囲に星が生じている

 

魔術師球としろがね人

 この記事で、永遠の都の月が暗月と同一か同じ種類のものであり、暗月はしろがね人の祖であると考察した。

 

ashlas.hatenablog.com

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月の系譜図

 

 この図によれば暗月の子孫にはしろがね人がいるのだが、レアルカリア学院の他に、しろがねの魔術師塔という場所にも魔術師塊が存在する。

 

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しろがねの魔術師塔。聖別雪原にある

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しろがねの魔術師塔の魔術師塊

 魔術師塔の名前は、その塔の持ち主を指す。持ち主のしろがね人は、母なる月になろうとしたのだと私は考えている。

 

 そのしろがね人はどうやら魔術師球に相当こだわっていたようである。しろがねの魔術師塔の周辺には、大量の魔術師球が現れる。

 

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大量の魔術師球

 

 魔術師球とは月になろうとする試みだと思われる。

 根拠はまだある。

 

魔術師球と銀雫の球

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球体の銀の雫

 先述の図の通り、しろがね人は銀の雫から生じたと私は述べた。銀雫には、球体のものもある。

 球体の銀の雫は、初回のみ倒すと確定で雫の幼生をドロップする。

 

雫の幼生(一部抜粋)

銀の雫と呼ばれる、変態生物の

生物と物質の中間にあるもの

 

 雫の幼生は、球体の銀雫のである。

 

 話が変わるが、古い魔術師は、原輝石を自らのとするために心臓を原輝石の刃で切り裂くようである。

 

原輝石の刃

血濡れた古い輝石の刃

 

魔術と祈祷の消費FPが少なくなるが

最大HPも減ってしまう

 

原輝石を、自らのとするために

古い魔術師は、この刃で心臓を切り裂く

そしてそのまま死んでいく

 

 セレンはこれに成功している。

 

セレンの原輝石

魔術師セレンの体内にあった輝石

半ば生体化し、血管の類が見て取れる

 

原輝石とは、すなわち魔術師のである

相性の良い、新しい体に移植すれば

セレンは再び蘇るだろう

 

我が弟子よ、おぞましいと思うか?

 

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セレンの原輝石

 

 セレンの原輝石をよく見ると、胎児の影がある。

 

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セレンの原輝石。胎児の影が見える

 

 銀雫の核である、雫の幼生の見た目も胎児のようである。

 

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雫の幼生

 

 魔術師球となったセレンだが、その魔術師球にはもちろん原輝石が核として入っているのだろう。

 魔術師球は、の子である銀雫の球と極めて似ている。

 

 以上のことから、セレンは魔術師球という小さな月になったと考えられる。また、原輝石が胎児のようであることから、いずれ星として生まれ変わろうとしている可能性が見える。

 アズールとルーサットが源流の探究で星の上位存在へ向かったように、セレンも星の上位存在、あるいは月の上位存在へ向かったことがわかる。

 

セレン

そして我ら落とし子は、いつか輝ける、星の子となるだろう

 

 セレンの言葉は、比喩ではなかったようである。

 

セレンの名前

 英語版でセレンは Sellen と書かれる。

 ギリシャ神話の月の女神の名前はセレーネー Selene という。  

 

 セレンと月には最初から深い関係が示されていたようである。

 

余談

 レアルカリア学院は源流魔術を禁じたものの、源流の影響が色濃く残っていると前編で考察した。魔術師がみな輝石頭を被っている点や、一見場違いなカニや壺が存在する点がそうである。

 このうち壺は、魔術師球と極めて似ている。

 まず、どちらも生命と無機物の中間である。しかも、複数の人間から作られている。更にはも存在している。

 

アレキサンダーの中身

戦士の壺、アレキサンダーの遺品

壺を満たす屍肉の中心にあったもの

 

壺の中身は、継承の激である

戦士は壺に、そしてまた新たな壺に

そしていつか高みへと

 

 魔術師球は、銀の雫の球だけでなく、生きている壺の研究からも着想を得たのかもしれない。

 

レアルカリア学院が源流を禁じた理由

 ここまで行くと、源流がなぜレアルカリア学院に禁じられたか明らかになる。

 セレンは探究の過程で何人もの人を手にかけたようである。

 

トープス

…しかし彼女は、学院を追放されたんだ

塊の魔女、数多の魔術師を惨たらしく手にかけた疑いで

 

 しかし、それだけが理由ではないと思われる。

 

 レアルカリア学院の中でも、カーリア王家が源流を禁じたと前編で考察した。

 カーリア王家の頂点であるレナラは月の魔術を用いるが、幼少の頃に月に出会っている

 

星見少女の伝承

女王の伝書が刻まれたタリスマン

知力を高める

 

星見の少女は、夜空を見上げ歩いた

ずっとずっと、星を追って旅をした

そして満月と出会い、女王となった

 

 レナラは暗月も知っていた。

 

ラニの暗月

カーリア王女の象徴となる魔術

「伝説の魔術」のひとつ

 

その身に冷たい暗月を呼び、敵に向かわせる

暗月は、触れる魔術のすべてを消滅させ

当たった者の、魔力カット率を一時的に下げる

 

母レナラに手を引かれ、幼いラニが出会った月

それは、冷たく暗い神秘の月であった

 

 暗月とは、永遠の都の月であると別の記事で考察した。すなわち、レナラは永遠の都を訪れたことがあるのである。

 永遠の都はアステールによって滅ぼされた。

 

アステール・メテオ

重力を操る輝石魔術のひとつ

 

虚空から小隕石を呼び、大量に落下させる

長押ししている間、隕石落下は続く

 

それは、かつてアステールが

永遠の都を、破壊し尽くした力である

 

 アステールの二つ名は、「暗黒の落とし子」や「暗黒の星々」である。

 源流の探究のいくつかは暗黒を見出すことになる。

 

彗星アズール

源流の魔術師の一人、アズールの魔術

「伝説の魔術」のひとつ

 

輝石の故郷とされる、遥かな星空

その奔流たる、極大の彗星を放つ

長押ししている間、それは放たれ続ける

 

アズールの垣間見た源流は、暗黒であった

彼はその深淵に心奪われ、また恐怖したという

 

創星雨

かつて古い星見が見出した、最古の源流魔術

「伝説の魔術」のひとつ

 

空に暗黒の星雲を呼び

しばらくの間、凄まじい星雨を降らせる

足を止めずに使用することができ

タメ使用で強化される

 

それは、輝石の魔術のはじまりとされる

星見の垣間見た源流は、現実となり

この地に、星の琥珀が降り注いだのだ

 

 暗黒からはアステールを呼ぶことになるようである。アステールが「暗黒の落とし子」や「暗黒の星々」と言われる理由である。暗黒からアステールが生まれることは魔術「永遠の暗黒」からわかる。

 

永遠の暗黒

魔術街サリアの禁断の魔術

 

暗黒を生じ、魔術や祈祷を引き寄せる

足を止めずに使用できる

 

それは、永遠の都の失われた魔術であり

その滅びをもたらした、絶望であったという

 

 ところで、永遠の都の月は星を呼ぶと先述した。そのミニバージョンである魔術師球の呼ぶ星は、魔術「創星雨」の暗黒の星雲と似ている。

 

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魔術師球の星と、魔術「創星雨」の暗黒の星雲

 

 月は星を生じる。

 だが、ふたつはいずれ道をわかつのである。

 

カーリアの返報(一部抜粋)

月と星は、いつか道を分かつだろう

 

 以上のように、カーリア王家の頂点レナラは、永遠の都ノクローンの滅びがアステールによるものだと知っており、源流の探究がアステールを引き寄せる暗黒に行き着くことを理解していたのだと思われる。

 恐らくこれがカーリア王家の率いるレアルカリア学院が源流を禁じた理由である。

 

まとめ
  • セレンは小さな月という星になるために魔術師球になった
  • 魔術師球はすぐ消える星を生じる
  • 上位互換、レアルカリアの魔術師塊は消えない星を生じる
  • 暗月は永遠の都の星空を作った
  • 魔術師塊はしろがねの魔術師塔にもある
  • しろがね人は暗月の子孫
  • 魔術師球は銀雫の球に似ている
  • どちらも胎児らしき核がある
  • 銀雫の球は暗月の子孫
  • セレンは魔術師球を経て、更には星の上位存在に向かう
  • カーリア王家は源流が危険だと知っていて源流を禁じた
  • 源流の暗黒でアステールが生じて永遠の都が滅んだ
  • これをレナラが知っていた
  • 魔術師球は源流の暗黒らしきものを作れる。