Ashlasの考察 【ELDEN RING】

エルデンリングの考察

「暗月の正体・しろがね人の正体」エルデンリング考察1

f:id:Ashlas:20220401083257j:plain

 


 エルデンリングでは、NPC同士が争うところが時折目に入る。英霊たちの地下墓のような破砕戦争の名残や、モーンの城など。

 こうした種族派閥信仰対立が狭間の地には存在し、ストーリーの本筋にもかかわっている。

 

 

 本作では、大抵の対立は強大な存在が引き金になっている。マリカがエルデンリングを砕いて破砕戦争が始まったように。

 

 本記事では便宜上、意志を持つ強大な存在を上位存在と呼ぶことにする。

 プレイヤーが会えるマリカデミゴッド二本指、アステールはもちろん、セリフやフレーバーテキストから間接的に知る、大いなる意志、「古い神」、そして「外なる神」などが上位存在に相当する。(他にも存在する)

 意志を持つ強大な存在上位存在)の対立に、諸々の小さな対立が対応する構図がエルデンリングにはある。

 よって、上位存在を考察することは他の様々な考察の助けになるはずである。

 

 私は次のことを主張する。

(1)上位存在暗月」が存在した

(2)しろがね人とは、上位存在「暗月」子孫である

 

 なお、ただの考察であるため確実ではないが、可能な限り証拠を挙げる。

 

 

 

(1)上位存在「暗月」が存在した。

f:id:Ashlas:20220403061448j:plain

 

 結論から言うと、恐らく暗月とは巨大な銀の雫の球である。

 星の世紀エンドで見られる暗月らしきものはただの青白い月だが、考察をしていくと銀の雫の巨大な球と見なすとしっくりくる点が非常に多い。

 以下、考察を述べる。

 

 ふつう、月とはただ空に浮かんでいるだけの巨大な石である。

 しかし、エルデンリングにおける暗月はただの自然物ではなく、意志があるものと私は考えている。

 (先述の通り、本ブログではこうした意志と強大な力を持つ存在を上位存在と便宜上呼ぶ)

 

 暗月というと、真っ先に思い浮かぶのは魔女ラニである。

 

ラニの暗月

カーリア女王の象徴となる魔術

「伝説の魔術」のひとつ

 

その身に冷たい暗月を呼び、敵に向かわせる

暗月は、触れる魔術のすべてを消滅させ

当たった者の、魔力カット率を一時的に下げる

 

母レナラに手を引かれ、幼いラニに出会った月

それは、冷たく暗い神秘の月であった

 

 ふつうなら月は光り、暗くはない。エルデンリングのゲーム本編でも、空を見上げれば月は光っている。ならば、暗月とは新月を意味するのではないだろうか。はじめ私はそう思っていたが、暗月をまた別の月と見なすと多くのことが説明できる。

 また別の月というと、ノクステラの月のテキストが浮かび上がる。

 

ノクステラの月

永遠の都、ノクステラの秘宝

「伝説のタリスマン」のひとつ

 

記憶スロットを増やす

 

それは、彼らが失くした黒い月を模している

ノクステラの月は、無数の星を従えていた。

 

 恐らく、ラニの暗月は、ノクステラの黒い月と同一のものであるか、同じ性質のものである

 

 暗月は普通の月のような自然物ではなく、意志を持つ上位存在となぜ考えられるのか。先述の(2)を通して説明する。

 

(2)しろがね人とは、上位存在「暗月」子孫である

 

 しろがね人第一世代の装備のテキストは次の通りである。

 

蒼銀の鎧

蒼銀で編まれた、鎖かたびらの鎧

狼の背に乗る、しろがねの射手たちの装備

 

蒼銀とは、彼女たちと同じ母から生じた金属であり

魔力と冷気に対して耐性がある

 

 魔力冷気、これは先述した魔術ラニの暗月の特徴である。

 そして、金属を生じる物体に最も近いのは、ノクステラやノクローンに存在する銀の雫である。

 一部の銀の雫は、青白い肌の人間の姿に変身する

 

銀雫の殻

銀の雫と呼ばれる、不定形生物の硬化した殻

永遠の都と、その近辺で見つかる

 

銀の雫は生命を模倣する

模倣はやがて再誕となり

いつか、王になるのだという

 

 銀の雫は液状金属であり、硬化したもの(=金属)もある。

 

ノクスの流体剣

永遠の都の剣士たちが用いる異形の剣

針のように細い刃を持つショーてる

 

銀の雫に由来する液状金属

硬く鍛え上げている

 

 このことから、しろがね人の祖先は恐らく銀の雫である。

 更に進んで、しろがね人のさらなる祖先、すなわち暗月であると証明する。

 

 まず、しろがね人第二世代の武器のテキストを列挙する。

 波紋雫、神秘という三つの単語に注目しながら読んでほしい。

 

波紋の剣

若きしろがね人たちの特別な得物

彼らの生命の原初される、波紋を模した剣

 

その攻撃力は、神秘によって大きく強化される

 

欠波紋の斧槍

若きしろがね人たちの得物

 

その刃は、波紋欠けた姿であるといい

攻撃力が神秘によって強化される

 

f:id:Ashlas:20220403230013j:plain

波紋の剣

 

 波紋とは、恐らくを指し示す。それも、暗月ではなく地上の月である。

 下の画像を見てほしい。月にうっすらと波紋の形が見て取れる。

 

f:id:Ashlas:20220401073332j:plain

月と波紋

 ノクステラの月のテキストによれば、暗月は失われてしまった。

 しろがね人第二世代はわざわざ「若い」と記述されている。彼らは、暗月がなくなった後に生まれたせいで暗月を見たことがないのかもしれない。

 

しろがねの盾(一部抜粋)

縦に長い、楕円の金属盾

若きしろがね人たちの得物

 

 ここで、しろがね人原初月(波紋)であることがわかった。

 ちなみに、銀の雫にも波紋がある。ぐねぐねと歪んではいるが、同心円状に広がる模様が見える。

 

f:id:Ashlas:20220417200704j:plain

銀の雫

 

 しろがね人原初暗月だとすれば、彼らの原初であるというテキストの記述にうまく説明がつく。

 

 長くなるが、まだ根拠がある。それは、神秘にかかわる。しろがね人第二世代の武器には神秘の単語が頻繁に登場した。

 これは、銀の雫や暗月にも言えることである。

 

銀雫の仮面

銀の雫と呼ばれる、不定形生物の死骸を

その硬化した殻と共に被った仮面

 

物理攻撃力と引き換えに、神秘を大きく高める

 

模倣するものを、逆に模倣する

逆転の冴えた発想であろう

 

ラニの暗月

カーリア女王の象徴となる魔術

「伝説の魔術」のひとつ

 

その身に冷たい暗月を呼び、敵に向かわせる

暗月は、触れる魔術のすべてを消滅させ

当たった者の、魔力カット率を一時的に下げる

 

母レナラに手を引かれ、幼いラニに出会った月

それは、冷たく暗い神秘の月であった

 

 しろがね人の武器には神秘が強く関係するが、暗月神秘に強い関係があることが伺える。

 

 しろがね人のキーワード、波紋(月)神秘

 この他に、冷気もキーワードとなる。

 先述のように、しろがね人第一世代の装備は冷気にも関係があった。

 

蒼銀の鎧

蒼銀で編まれた、鎖かたびらの鎧

狼の背に乗る、しろがねの射手たちの装備

 

蒼銀とは、彼女たちと同じ母から生じた金属であり

魔力と冷気に対して耐性がある

 

 しろがね人の遺灰にも書かれているように、第二世代は冷気を吐くこともできる。

 

しろがね人の遺灰

霊魂の宿った遺灰

しろがね人の霊体を2体召喚する

 

大柄で、側転の特異な霊体のデュオ

波紋の剣を振るい、冷たい息を吐く

潰れた頭が変えるにも似た彼らは

しろがね一族の第二世代である

 

 しろがね人第二世代は、寒い地域にだけ住んでいるわけはない。ならば、彼ら本来の特性によって冷たい息が吐けると考えるのが妥当である。

 波紋(月)神秘冷気。しろがね人を取り巻くこれら四つの要素。このことを考えれば、しろがね人はただ銀の雫に由来するだけでなく、祖先に暗月がいると見なせるだろう。

 

 そして、次の写真を見てほしい。

 

f:id:Ashlas:20220401044950j:plain

銀の雫が生まれる様子

 永遠の都ノクステラには、球状の銀の雫から液状の銀の雫が生まれるスポットがある。

 ここから、恐らく暗月とは銀の雫の球その巨大なものであったと考えることができる。

 

 また、永遠の都ノクローンには、銀雫の球を前に跪いて祈る夜巫女の姿がある。

 

f:id:Ashlas:20220417191623j:plain

銀雫の球と拝跪する夜巫女

 

 突然鉄球が登場して困惑した人も多いだろう。銀雫の球が黒い月に関係すると見なせば鉄球が存在することもしっくりくる。

 

 すると、次の図が導かれる。

f:id:Ashlas:20220405053504p:plain

月の系譜図

 

 この図が正しければ、ゴドリックが黄金の一族の祖ゴッドフレイを父祖と呼んだように、しろがね人にとっては祖なる母暗月であると言える。

 こうして、暗月とはしろがね人達の「」であると私は考察するに至った。

 

 そして暗月は、ただの巨大な石である通常の月とは違い、半分は物質だが、もう半分は生命であることが導かれる。

 

雫の幼生

銀の雫と呼ばれる、変態生物の核

生物物質中間にあるもの

 

満月の女王レナラの抱く、琥珀のタマゴ

その秘めたる「産まれ直し」の素材となる

 

産まれ直しでは

レベルアップを最初からやり直すことができる

 

 暗月とは、「母なる大地」のような単なる比喩ではなく、まさに生命として子を産む母である。

 ゆえに暗月は上位存在に相当するのである。

 

カーリアの月

 ところで、レナラは月に出会ってレアルカリアを魅了することとなった。その娘、ラニは暗い月に魅せられた。

 ところが、空を見上げると月はひとつしかない。暗い月とは、新月のことを指すのではないか。

 

 そう思っていたが、特別な場所で2つの月を目にすることができる。

 月光の祭壇、そしてマヌス・セリスの大聖堂の付近である。黄金樹に隠れて、もうひとつの月が空に浮かんでいる。

 

 ところで、レナラはレアルカリアを月で魅了したと書いた。レアルカリアに飾られる月球儀は、やや青い。

 

f:id:Ashlas:20220417192905j:plain

レアルカリアの討論室に飾られる月球儀

 レナラにとっての月は、どちらの月だったのだろうか。あるいは、どちらにも興味があったのだろうか。

 

 ラニの暗月では、レナラの月と違って冷気の状態異常が付与されている。ラニは、雪魔女に冷たい魔術を教わった。

 

輝石の氷塊

老魔女は、幼少のラニに教えたという

冷たい魔術と、暗い月への恐れを

 

 冷気属性の魔術を使えるのは、ラニとその関係者しかいない。レナラは暗月の性質をよく知らなかった可能性がある。もしそうなら、明るい月と暗い月の違いは、ただ明るさだけでしかないと思うことだろう。

 

 ちなみに、カーリアの書院にある月は、青と黒がまだらに混じり合っている。

 

f:id:Ashlas:20220417194423j:plain

カーリアの書院の月球儀

 中々不思議である。

 

本記事は「暗月の正体・しろがね人の正体」というタイトル。

その答えは「暗月とは上位存在であり、しろがね人はその子孫である

 

 これが明らかになったことで、更に様々な考察ができる。

 

 以下、関連する考察・雑感へのリンクです。

「モーグウィン王朝で眠る大量のしろがね人、エルデンリングDLCの夢を見る私」エルデンリング考察2 - Ashlasの考察

ashlas.hatenablog.com

 

「セレン、結末の理由 なぜ地下世界に星空が広がっていたのか」エルデンリング考察4 - Ashlasの考察

ashlas.hatenablog.com