古い神と古い王について考察する。
マリカの前にもエルデンリングを宿す神がいた。その神を待っていたのがファルム・アズラの竜王プラキドサクスである。
ところが、古い神の王はプラキドサクスだけではないようである。古い神を起点に狭間の地を調査すると、ストームヴィルや地下世界、魔術師についても考察できる。
ファルム・アズラの神
ファルム・アズラのエルデンリングについてこちらの記事で考察しました。
本考察はこの続きです。
前編の考察で、脚に根のようなものがまとわりついている像の老父がかつての神であると述べた。便宜上、これを老神と呼ぶ。
この像の人物を考察すると、狭間の地の古い時代に何があったかに光を当てることとなる。
王朝遺跡
老神の像のある王朝遺跡には、古代の遺物が大量に置かれている。
そのひとつに4つの輪が描かれたものがある。憶測だが、これはエルデンリングではないだろうか。
4つの輪の下に牛があしらわれている。牛といえば、降る星の獣である。闘牛のような胴を持ち、闘牛のように突進する。また、2本の顎は虫のようだが、見方によっては闘牛の角のようでもある。牛のように足は蹄である。
大いなる意志は隕石や星を眷属として使役するとこちらの考察で述べた。エルデンリングの化身たるエルデの獣も流星である。ならば、闘牛と輪は、ともに星である降る星の獣とエルデンリングを意味していると言えるかもしれない。
四鐘楼の存在理由
リエーニエ東部には四鐘楼と呼ばれる建造物が存在する。それら4つの鐘楼のうち、1つを除いた3つに転送門があり、魔石剣の鍵を用いることで転送門を起動させて遠い場所へ移動することができる。
その移動場所は、リムグレイブの王を待つ礼拝堂、シーフラ河の地下遺跡、ファルム・アズラである。それぞれの鐘楼には、王を待つ断崖、永遠の夜空、崩れゆく地というメッセージが記されている。(いつかのアップデートでメッセージが追加された模様である)
四鐘楼はなぜ存在しているのか、なぜそれらの場所に飛ばされたのか。
老神の存在を仮定すると説明できる。
四鐘楼の鐘楼それぞれには下半身が木で、髭のある老父が描かれている。
これは老神ではないだろうか。
下半身の木、老父、ファルム・アズラ。前編の記事ではエルデンリングの模様からこの3つの繋がりを見出した。
四鐘楼にも、この3つの繋がりが見えてくるのである。
ここで私は次のことを主張する。
四鐘楼の存在意義は慰霊である。
そして、四鐘楼は老神の王がいた場所に繋がっている。
神と王はセットになるが、それが1対1になる必要はない。マリカ、ゴッドフレイ、ラダゴン、レナラ。この関係を見れば、神と王がセットになるとしても、1対1になる必要はないのがわかる。
慰霊の鐘楼
四鐘楼をよく観察してみる。
それぞれの鐘楼には、複数のろうそくと黒い食器が置かれている。
それぞれの鐘楼には3つの鐘が取り付けられている。エルデンリングにおいては、鐘は概して霊や使者に関係する。例えばプレイヤーは霊呼びの鈴(鈴の形は鐘である)から遺灰の霊を呼ぶことができる。
また、鐘楼には骨が埋め込まれている。
これらのことから、鐘楼は霊や死者に関係すると言えるだろう。
そして、鐘楼の転送門が繋がる場所を考えれば、四鐘楼は黄金樹前史の王のためにあるとわかる。
竜王
四鐘楼の行き先のひとつは、ファルム・アズラである。
前編の考察では、ファルム・アズラの竜王プラキドサクスは去った神を永遠に待っていると述べた。
そして、恐らくその神はエルデンリングを宿す老神である。
祖霊の王
四鐘楼はシーフラ河の地下遺跡にもつながっている。
シーフラ河には祖霊の民がいた。その祖霊の民は祖霊の王を祀っている。初めは神か何かだと私は思っていたのだが、祖霊の王は神ではなく王である。
神とせず、わざわざ王と呼ぶのは相応の理由があるだろう。恐らくは祖霊の王は老神の王である。
祖霊の民はウルドの王朝遺跡にもいる。この遺跡には大量の老父像が散乱している。王朝遺跡の建造物はシーフラ河のものと建築様式が同じであるため、同じ文明だろう。
ならば、祖霊の王はこの老神の王と言えるだろう。王と神とはセットになる。もちろん、亜人女王のように神のいない王も存在するが、この祖霊の王は老神と関係があると言えそうである。
王朝遺跡の遺物を眺めると、歴史の描かれた石碑が何種類かある。
何が描かれているのか読み取るのは難しいが、二段目に植林の様子が見える。
地下空間は星空が目を引くが、巨大な石化した白い木が点在するのも重要な特色である。
シーフラ河付近の地下世界では、擬態のヴェールで小さな白い木に変身することもできる。
これこそが、石碑に描かれた木ではないだろうか。
祖霊の民は聖別雪原にも登場するが、聖別雪原にも巨大な白い木が点在している。
このことから、祖霊の民と老神は同時代の存在であり、祖霊の王は老神の王であると考察できる。
嵐鷹の王
四鐘楼からは、王を待つ礼拝堂へ行くこともできる。
王を待つ礼拝堂の建築様式は、よく見ると二種類ある。ひとつは神授塔と極めて近く、もうひとつはストームヴィル城と同じものである。(神授塔に近い建築様式については今回は扱わない)
ストームヴィル城と同じ建築様式であるなら、ここもストームヴィルの領域であると言えるだろう。
そこでは、嵐鷹の古王の遺灰が手に入る。
嵐鷹の古王も、老神の王であると私は考えている。
嵐鷹の古王
ストームヴィルに本当の嵐があった頃
鷹たちの王として君臨した、一羽の遺灰
だが古王は誇り高く、誰の召喚にも応じない
ストームヴィルには、かつて本当の嵐があったそうである。
ところで、ストームヴィル城には失地騎士が何人もいた。そして、ファルム・アズラにも失地騎士は存在した。
ファルム・アズラとストームヴィルは、かつて非常に近い場所にあった可能性がある。
竜王プラキドサクスは、嵐の中心に座す。
竜王の追憶
時の狭間、嵐の中心に座す竜王は
黄金樹の前史、エルデの王であったという
だが神は去り、王は帰還を待ち続けていたあ
失地騎士の装備には、竜があしらわれている。
失地騎士は竜餐の祈祷を用いる。
大竜餐教会には失地騎士がいる。大竜餐教会の竜の像はファルム・アズラにも存在する。
かつて失地騎士を率いた宿将二アールは、嵐の技と雷の技を用いる。雷は竜の力である。
宿将の義足
ソールの宿将、ニアールは
その脚と引き換えに、敗軍の騎士たちの助命を請い
後に彼ら、失地の軍勢を率いることとなった
専用戦技「嵐蹴撃」
義足の刃を地に突き立て、嵐を生じる戦技
強攻撃で、その刃に雷を纏った
跳躍攻撃に繋げられる
嵐、竜、失地騎士。これらに繋がりが見える。
失地騎士は、恐らくファルム・アズラが本拠であった。あるいは、ファルム・アズラと同じ陣営に属していた。
そしてストームヴィルもファルム・アズラと同じ陣営にいたと考えられる。
ところが疑問が浮かぶ。ストームヴィルはゴドリックのものではないのだろうか。
どうやらストームヴィルは元はゴドリックのものではない。
ゴドリックは王都から追放されている。それゆえか、ゴドリックは撃破後に黄金の麓へ行きたかったと口にする。
擬態のヴェール(一部抜粋)
ゴドリックが、王都ローデイルを追われた時
大量に持ち出した秘蔵品のひとつであり
「マリカの戯れ」としても知られる
ファルム・アズラの神は老神である。ストームヴィルの王は、ファルム・アズラに関係が深く、鐘楼でつながってもいる。
古い時代、このストームヴィルは嵐鷹の古王のものであり、嵐鷹の古王は老神の王だったのではないだろうか。
夜の王
四鐘楼は3つの場所とつながっていた。残る1つの鐘楼には転送門がない。これは何を意味しているのだろうか。
本考察において最も重要なのがこの点である。
こちらが考察の続きです。
「夜の王 永遠の都の大逆とは何か 巨大な骸骨の正体」エルデンリング考察10 - Ashlasの考察